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  • 執筆者の写真タオ

父について二、三の事柄

父は、かぼちゃの馬車でおばあさんを運ぶバイトをしています…。

おばあさん、というと失礼か。お年を召したご婦人、というべきか。

お連れする先は病院や施設ではなく、華やかで煌びやかな場所。

(そこで主にお買物を楽しんでもらう訳ですが…)

少々男前で気さくな父は、しばし、ご指名がかかる。

少し前に聞いた話は、新規のお客さんをお迎えにいったときのこと。

お連れする先は高速道路で一時間程度かかる場所。

後部座席に乗車してもらい、会話を始めると妙に気が合い、

「せっかくだから前(助手席)に座って、話しながら行きませんか?」と誘ったところ、

最初そのマダムは警戒されたのか、

「いやいや後ろで結構です。」と遠慮されたらしい。

…が、その後2人の会話はさらに弾み、高速道路に乗る手前で

「運転手さん、やっぱ停めて!私、前に乗る!」と仰ったそうです。

じいさん、やるなあ~~

漫画でもそんな胸きゅんなシーン、思いつかないよ。

それから、2人で目的地までお喋りを楽しみ、マダムも上機嫌。

任務を終えた父は、営業マンから「あのピンクのシャツの運転手さんがよかったから…と。

なんでも、マダムは結構なお買物をされ、父は会社の営業成績に貢献することができたらしい。

御用があれば、どこへでもかぼちゃの馬車でお迎えにあがる父です。

高齢だから、ドライバーの仕事は何度か切り上げたのだけど…なんだかんだで続いています。

それにしても世の中いろんな仕事があるもんですね。


こちらが、父がお連れするご婦人の似顔絵……だそう……(父画)

「お父さん、女性を描く時はありのままに描いちゃいけんよ!」って言うんだけど……

「わしは嘘つけんけー」と。

お客さんにお渡しして、機嫌を損ねた事もあるらしい

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